本格紅茶ボンボンショコラの作り方
今回ご紹介するレシピは、特別な買い物をしなくても、家庭にある身近な材料で美味しく仕上がる紅茶のボンボンショコラ。さらに、プロが使う「三塗装法」という特別な乳化テクニックも一緒にマスターできます。

私、お菓子作りのために買い物に行くのがちょっと面倒なタイプなんです。チョコレートって賞味期限が長いから常備しやすいし、牛乳はいつも家族が飲むので冷蔵庫にあるじゃないですか。だから牛乳と紅茶葉でガナッシュを作ることが多いんですよ。
なぜ牛乳で作るの?生クリームとの違い
一般的なガナッシュレシピでは生クリームを使うことが多いのですが、牛乳でも十分美味しいガナッシュが作れます。むしろ、牛乳を使うことで以下のようなメリットがあります。
牛乳ガナッシュのメリット:
常備しやすい材料で作れる
さっぱりとした後味に仕上がる
紅茶の風味がより際立つ
コストパフォーマンスが良い

生クリームがない方は、水でもガナッシュは作れますし、動物性が苦手な方は豆乳でも代用できます。ただし、保存期間が少し短くなる可能性があるので、そこだけ注意してくださいね。
三塗装法って何?プロの乳化テクニック
今回のレシピでは「三塗装法」という特別な乳化方法を使います。これは、スペインのパティシエが考案した技術で、一度わざと分離させてから乳化させることで、より強くなめらかな乳化状態を作り出す方法です。
💡 ポイント
ボンボンショコラは2〜3週間の保存を想定して作るので、長期保存に耐えられるようしっかりと乳化させることが重要です。三塗装法を使うことで、より安定したガナッシュが完成します。
材料(約100gのガナッシュ・ボンボン約15個分)
チョコレートベース:
ダークチョコレート(60%):53g
紅茶ミルク:
牛乳:35〜40ml(紅茶を煮出すため多めに準備)
紅茶のティーバッグ:1個
使用する分量:20g(煮出し後)
糖類:
水飴:5g
ハチミツ:5g
ソルビトール:適量(トレハロースでも代用可)
仕上げ:
無塩バター:12g
作り方の詳しい手順
1. 紅茶ミルクの準備
牛乳を電子レンジで沸騰させ、ティーバッグを1個入れて約10分蒸らします。紅茶葉が牛乳を吸うため、最終的に使う20gよりも多めに準備しておきましょう。
💡 ポイント
紅茶の種類によって吸水量が異なるので、多めに準備して煮出した後に必要分を測るのがコツです。
2. チョコレートをしっかり溶かす
ダークチョコレートを電子レンジで完全に溶かします。少量のガナッシュは水分が少ないため、チョコレートが完全に溶けていないと分離しやすくなります。

私は湯煎ではなく電子レンジを使っています。湯煎だと水が混入するリスクがあるので、電子レンジの方が安全なんです。溶けたチョコレートの温度は大体45〜56度くらいが目安ですね。
3. 糖類を混ぜ合わせる
水飴、ハチミツ、ソルビトールを紅茶ミルクに加え、電子レンジで10秒程度温めて糖分をしっかり溶かします。温度は58度程度まで上げましょう。
💡 ポイント
冷たい水分をチョコレートに加えると分離の原因になります。必ずしっかり温めてから使用してください。
4. 三塗装法で乳化させる
ここからが三塗装法の本番です。温めた紅茶ミルクを、最初は少量ずつチョコレートに加えます。
第一段階:わざと分離させる
少量の水分を加えながらミニホイッパーで混ぜると、表面に油が浮いてギトギトした分離状態になります。これは失敗ではなく、必要な過程です。
第二段階:さらに水分を加える
もう少し水分を加えると、分離していたガナッシュがつながり始めます。
第三段階:完全な乳化
残りの水分を加えると、ヌテラのようなツヤやかで美しい乳化状態になります。
💡 ポイント
分離した状態を見ると「失敗した?」と思うかもしれませんが、これが三塗装法の特徴です。慌てずに手順通り進めてください。
5. バターを加えて仕上げる
ガナッシュの温度が40度以下になったら、無塩バターを加えます。温度が高すぎるとバターが分離し、低すぎると馴染みにくくなります。
💡 ポイント
バターを加える際の温度管理が重要です。33〜40度の間がベストです。温度が低すぎる場合は5秒程度電子レンジで温めてください。
6. シェルに絞り入れる
完成したガナッシュを絞り袋に入れ、あらかじめ作っておいたチョコレートシェルに絞り入れます。ガナッシュの温度は30度程度まで下げてから絞り入れるのがベストです。
成功のポイントと失敗を避けるコツ
温度管理が最重要
ガナッシュ作りで最も大切なのは温度管理です。各段階での適切な温度を守ることで、美しく安定したガナッシュができます。
少量でも丁寧に
今回のレシピは100g程度の少量ですが、手順は丁寧に守りましょう。少量だからこそ、温度変化が早いので注意が必要です。

100均のミニホイッパーが少量のガナッシュ作りには使いやすいんです。普通サイズだと、この量では混ぜにくいので、道具も小さめを選ぶのがコツですね。
固まるまでの時間
ガナッシュを絞り入れた後は、最低3時間、できれば半日ほど涼しい場所で固めます。冷蔵庫ではなく、室温の涼しい場所でゆっくりとチョコレートの結晶化を進めるのがポイントです。
💡 ポイント
すぐに蓋をするのは禁物です。チョコレートは固まるときに縮むので、すぐに蓋をするとひび割れの原因になります。完全に固まってから蓋をしましょう。
こんな応用も可能です
他の茶葉でアレンジ
紅茶以外にも、ほうじ茶、抹茶、烏龍茶など、お好みの茶葉で同様に作ることができます。
豆乳や水での代用
牛乳がない場合は豆乳でも代用可能です。また、水でもガナッシュは作れるので、よりシンプルな材料で挑戦したい方にもおすすめです。
まとめ:家庭で本格的なボンボンショコラを楽しもう
紅茶のボンボンショコラは、特別な材料を揃えなくても家庭で本格的に作ることができます。三塗装法という少し上級者向けのテクニックも、手順を守れば必ず成功します。

室温が25度くらいまでなら、まだチョコレート作りは大丈夫です。でも夏が近づくと湿度も気になるところですね。エアコンで室温と湿度をコントロールして、美味しいチョコレート作りを楽しみましょう。
一度分離させてから乳化させる三塗装法は、最初は「本当に大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、その分完成したときの喜びもひとしおです。ぜひチャレンジして、家庭でプロレベルのボンボンショコラ作りを楽しんでくださいね。
買いたての茶葉を使うと、本当に良い香りのガナッシュができ上がりますよ。週末の特別なティータイムに、ぜひ手作りの紅茶ボンボンショコラはいかがでしょうか。