夏でも失敗しない!粉末法によるチョコレートテンパリング
はじめに
「夏はチョコレート作りが難しい」という声をよく聞きます。暑い季節になると、どうしても室温が高くなって、いつものテンパリング方法ではうまくいかないことが多いんですよね。
特に、大理石の上で冷やしながら行うテーブル法は、室温が高いとほぼ不可能になってしまいます。でも、諦める必要はありません。今回ご紹介する「粉末法」なら、室温30度以下であれば確実にテンパリングを取ることができるんです。

私も夏になると食欲が落ちるので、チョコに限らずあまり食欲がなくなっちゃうんですけど、それでも夏チョコ好きな方はいらっしゃいますよね。今日の方法なら夏でもちゃんとチョコ作れますよ!
この方法は私の恩師である佐藤清隆先生から教わった特別な技法で、一般的なレシピ本にはあまり載っていない画期的な方法です。

この方法を知ったのがチョコ作り歴10年くらいの時だったんですけど、もう衝撃でした!「こんな特殊な方法があるの?」って感じで。
テンパリングって何?
チョコレートのテンパリングとは、カカオバターの結晶を適切な状態にして、美しいツヤと口どけを実現する技術のことです。カカオバターには6つの結晶型があるのですが、その中でも5型結晶という状態にすることで、美味しいチョコレートに仕上がります。
💡 ポイント
テンパリングは温度管理だけでなく、撹拌つまり「混ぜること」がとても重要!最近の研究では、撹拌方法を工夫するだけでテンパリングが取れる可能性も示唆されています。
正しくテンパリングできていれば、表面が白くなる「ブルーム」が発生せず、固まる速度も早くなります。
粉末法って何がすごいの?
💡 ポイント
通常のシード法では溶かしたチョコレートに対して20%もの種チョコが必要ですが、この粉末法なら、わずか2%の粉末チョコレートを使うだけで済みます!
しかも、室温への依存度が低いので、夏場でも安定して成功できるのが最大の魅力です。エアコンをガンガンに効かせなくても、普通の室温でテンパリングが取れるって、すごくないですか?
用意するもの
今回は50グラムのチョコレートでやってみましょう。ダーク、ミルク、ホワイト、どの種類でも大丈夫です。そして、同じ種類のチョコレートを1グラム分、粉末にするために用意します。
道具としては、温度計が必需品です。できれば0.1度単位で測れるものがあると安心ですね。あとは、包丁、茶こし、デジタルスケール、ボウル、スパチュラがあれば準備完了です。
実際にやってみましょう
まず、50グラムのチョコレートを溶かします。私は電子レンジの発酵モード45度で30分ほど加熱していますが、湯煎でも構いません。完全に溶かしてくださいね。
次に、粉末チョコレートを作ります。これがちょっと面倒なのですが、同じ種類のチョコレートを包丁で細かく刻んでください。
💡 ポイント
本当に細かく、ココアパウダーのようなサラサラ状態になるまで刻んで、茶こしでふるってください。この細かさが成功の鍵です!

この刻むのがめんどくさいんですけどね。夏でテンパリングが取れないときは、ちょっと頑張って刻んでください!もうココアパウダーのサラサラ状態まで細かくします。
そして、ちょうど1グラムの粉末を計量してください。

50グラムの2%だから1グラムですね。急に計算を振ってすみません(笑)
さあ、いよいよテンパリング作業です。溶かしたチョコレートの温度を35度まで冷まします。
💡 ポイント
35度になったら、1グラムの粉末チョコレートを加えて、しっかりと撹拌します。ダークチョコレートは32度台まで、ミルクチョコレートは30度前後まで、ホワイトチョコレートは29度前後まで、ひたすら混ぜ続けてください。
この撹拌作業こそが、テンパリング成功の鍵なんです。
冷やし方のコツ
💡 ポイント
チョコレートは冷蔵庫で急冷するのは禁物!カカオバターの結晶が液体から固体に変わって固まっていく過程なので、急激な温度変化は避けましょう。

私はワインセラーを使ってて、ワインセラーに入れとくと温度がちょうどいいんです。大体17度になってましたけど、それぐらいの設定ができるので寒すぎず、暑すぎずでちょうどいいです。
でも、ワインセラーをお持ちでない場合は、タッパーに入れて冷蔵庫に10分から15分入れた後、室温でゆっくり固めるのがおすすめです。
成功したかどうかの見分け方
💡 ポイント
テンパリングがうまくいっているかは、まず固まる速度で判断できます。成功していれば固まるのが早く、失敗していると固まるのが遅くなります。
ただし、本当の確認は翌日以降になります。正しくテンパリングできていれば、表面にブルームという白い斑点が出ませんし、美しいツヤが保たれます。最低でも18時間は様子を見てくださいね。
知っておきたい注意点
作ったチョコレートは2回から3回まで溶かし直しができます。ただし、3回を超えると質感が変わってくるので、それまでに使い切るか、板チョコとして食べてしまいましょう。
💡 ポイント
保存する時は、サランラップで巻くのは避けてください。チョコレートは固まる時に縮むので、サランラップを巻き込んでしまいます。食品用の袋に入れるか、平らな状態で保存しましょう。
まとめ
この粉末法を覚えれば、夏の暑い日でも安定してテンパリングを取ることができます。たった2%の粉末チョコレートと正確な温度管理、そして何より継続的な撹拌が成功のカギです。

これなら簡単にできませんか?しかもごく少量のチョコレートで。私今日50gしか溶かしてなくて、50gもいらなかったなって正直思ってるんですけど(笑)
今年の夏は、この方法でぜひ美味しいチョコレート作りに挑戦してみてくださいね。きっと新しい発見があると思います!
*この記事は、インスタライブでの実演内容をもとに作成しました。何かご質問がございましたら、お気軽にコメントでお聞かせください。*