メリークリスマス!今日は年内最後のライブ配信ということで、リクエストいただいた「テンパリングありなしでどう違うの?」という疑問に、実験でお答えしていきます。

テンパリングとは


チョコレート作りで最も重要な工程がテンパリング。チョコレートの結晶構造を整える作業で、これをすることで艶やかで口溶けの良いチョコレートに仕上がります。

💡 ポイント


テンパリングは温度だけでなく「混ぜる」ことも大事です。混ぜながら温度を下げていくことで、結晶が整っていきます。



実験:テンパリングありなしの比較


同じ温度(約40度)で溶かしたチョコレートを2つ用意しました。片方はテンパリングを取る、もう片方はそのまま。

結果:固まるスピードが全然違う!


テンパリングを取ったチョコレートは、2〜3分で結晶化が始まってマットな感じになってきました。一方、テンパリングを取っていないチョコレートは、いつまでもツヤツヤの液体状態のまま。


テンパリングを取っていないチョコレートは固まるのに本当に時間がかかるんですよ。今の室温が20度くらいで、数十分はかかります。作業の途中で固まるのが遅かったら、テンパリングに失敗している可能性があるので注意してください。



なぜ固まるスピードが違うのか


ちょっと小難しい話になりますが、カカオバターの油脂には1型から6型まで結晶構造があります。テンパリングというのは、この中の5型で固めるための作業なんです。

💡 ポイント


カカオバターの結晶構造
5型を液体から作ると、18時間くらいかかる
テンパリングで4型まで作り、そこから5型に変えていくとスピーディー
2型→3型→4型→5型とスムーズに進むので、だいたい4分くらいで固まり始める



つまり、テンパリングを取ることで5型の「種」を作っておくと、結晶化がスムーズに進むということです。

テンパリング失敗のサイン


作業中に「いつもより固まるのが遅いな」と感じたら、テンパリングに失敗している可能性があります。

テンパリングが取れているチョコレートでボンボンショコラを作ると、だいたい2〜3分でマットな状態になってきて固まり始めます。いつまでもウェットな状態のままだったら要注意。やっと固まってきたと思ったら、変な結晶を作ってしまってボロボロになることもあります。

私が使っているチョコレート


質問いただいたのでお答えします。私はコスパ重視で選んでいます。

💡 ポイント


おすすめのチョコレート
大東カカオ スペリオル フォンセ55%:味がニュートラルで使いやすい。中心として使用
ピュラトス ショコランテ ベトナム62%:カカオバター分が高いので、フォンセと混ぜて使用



フォンセはカカオバター分がちょっと低いので、カカオバター分が高いショコランテと混ぜることで、バランスを取っています。

ホワイトチョコへの着色について


ホワイトチョコに色を付けられますか?という質問もいただきました。もちろんできます!

着色方法はいくつかあります:
カラーカカオバターを混ぜる
油性(油に溶ける)の粉末色素を使う
天然のもの(抹茶、フルーツパウダー、竹炭など)で着色


私は派手な色が好きなので結構量を入れますが、淡い色がお好きな方は少量でも大丈夫です。ホワイトチョコは白がベースなので多少くすみますが、それはそれで優しい色合いになりますよ。



まとめ


テンパリングありなしで比較すると、結晶化のスピードがまったく違うということがわかりました。

テンパリングあり:2〜3分で固まり始める
テンパリングなし:数十分〜何時間もかかる

チョコレートを作る時、固まるスピードが遅いなと思ったら、テンパリングを見直してみてください。テンパリングさえできれば、ある程度のチョコレートは作れるようになりますよ。

今年1年お世話になりました。来年も水曜日のライブ配信でお会いしましょう。良いお年をお迎えください!

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