チョコレート作りに必要な道具選び|初心者こそ良い道具を使うべき理由

はじめに
ボンボンショコラを作ってみたいけれど、どんな道具を揃えればいいのか分からない。そんな声をDMでいただきました。チョコレート作りって、普通のお菓子作りとはちょっと違う道具が必要なんですよね。
今回は、ボンボンショコラ作りに必要な道具と、なぜ初心者こそ良い道具を使うべきなのか、私が実際に使っている道具も含めてご紹介したいと思います。
初心者こそ良い型を選ぶべき理由

ボンボンショコラ作りで一番大事なのは、間違いなく「型」です。チョコレートモールドと呼ばれるこの型、実は私、これが一番重要だと思っているんです。
私が愛用しているのは「チョコレートワールド」という型で、楽天などでも購入できます。ただ、正直なところ1枚8000円くらいと、かなり高価なんですよね。Amazonなどでは1000円台の安価な型も売っているのに、なぜこんなに高い型をおすすめするのか。

友人が教えてくれた言葉なんですけど、「チョコレート作りに慣れていないうちこそ、良い道具を使った方がいい」って。最初のうちはいろいろ失敗もあると思うんです。でも、道具だけは良いものを使っていれば、少なくとも「道具が悪かったから失敗した」という可能性を排除できるんですよね。本当にごもっともだなと思いました。
💡 ポイント
私が運営しているジュエリーショコラティエ養成講座のキットにも、このチョコレートワールドの型を1枚入れています。特に初心者の方が多い講座なので、「道具が悪いからうまくいかない」という可能性を最初から排除できるのは大きいんです。
安い型と高い型、何が違うのか
実際に使ってみると、型の質で仕上がりは本当に変わります。私も8〜9年前にチョコレート作りを始めた頃は、1枚1000円ちょっとの型をAmazonで買って使っていました。そうしたら、色が剥げたりツヤが出なかったりといった問題が起きたんです。
当時は型が原因だとは分からず、パティシエさんに相談に行ったり、かなり試行錯誤しました。でも、良い型に変えたらそれらの問題が一気に解決したんですよね。
型はポリカーボネートという硬質プラスチックでできているんですが、安価な型には不純物が混ざっている可能性が高いと私は考えています。洗濯バサミなどのプラスチック製品も、劣化するともろくなっていきますよね。型も同じで、使っているうちにどんどん劣化していくんです。そして、安い型はその劣化がとても早い。
💡 ポイント
チョコレートは適切にテンパリングを取ると、型の中で縮むんです。これは結晶構造の関係で起こる現象で、型は縮まずにチョコレートだけが縮むから、きれいに型から外れるんですね。ところが、劣化している型を使うと、型もチョコレートと一緒に少し縮んでしまうようなんです。だから型離れが悪く、ツヤも出にくくなってしまいます。
良い型は本当に長持ちします。最初は「何十年も使える」と聞いて購入したんですが、最近のヨーロッパでは環境面への配慮から、ポリカーボネート製品も10年くらい使ったらマイクロプラスチックの関連で食品には向かないのでは、という声も出始めているそうです。とはいえ、私は最長で15年くらい使っている型もあり、今でも問題なくきれいに使えています。

この型、毎年新しいデザインが出るんですよね。集めるとキリがないので、型沼にはまらないようお気をつけください(笑)
温度計は正確に測れるものを

型の次に絶対あった方がいいのが、非接触式の温度計です。コロナ以降、体温計として一般的になりましたが、食品用と体温計用では測定精度が違います。
赤外線で測るこのタイプの温度計は、放射の跳ね返りで温度を測定します。食品、液体、金属の調理器具など、対象物によって放射の具合が違うので、それを選べるようになっている温度計が正確に測れるんです。
💡 ポイント
初心者の方は、チョコレートの状態を粘度や触った感覚で判断するのは難しいですよね。ベテランになってくるとチョコレートの声が聞こえてくる、なんて言いますが、最初は正確に測れる温度計を使う方が失敗が少ないんです。
もちろん差し込み式の温度計でも構いませんが、非接触式だとチョコレートだけでなく、作業台の温度や型の温度など、いろいろな温度を簡単に測れるのでとても便利です。
意外と重要なヘラ選び

ヘラも必需品です。型に流したチョコレートを平らにカットするために使います。
実は私、セリアのお好み焼き用ヘラを愛用しているんです。もちろん専用のチョコレートスクレーパーも売っているんですが、あれって柄と刃の部分に隙間があって、洗うと水が入ってしまうことがあるんですよね。使っているうちに水が垂れてきたりすると困りますし、刃の部分が鋭すぎて、プラスチックの型を削ってしまうこともあります。
💡 ポイント
セリアのお好み焼きヘラは柄と刃がシームレスなので水が溜まりませんし、適度な固さでチョコレートをきちんと切れます。何より、型の横幅が13.5cmに対してこのヘラは15cmあるので、シンデレラフィットなんです。型の横幅より大きいヘラを選ぶのが、私は必須だと思っています。
その他の基本道具
ここまでが、チョコレート作り特有の道具です。あとは普通のお菓子作りに使う小さなボールやゴムベラ、ホイッパー、絞り袋などの消耗品に近いものは、ダイソーなどのもので十分対応できます。
カラーカカオバターについて

色をつけたボンボンショコラを作りたい方には、カラーカカオバターが必要です。これは常温で固体のカカオバターに色素が混ざったもので、溶かして型に塗ってから使います。
液体タイプの色素も売っているんですが、私はおすすめしません。なぜなら、ボンボンショコラは色素を直接チョコレートに混ぜるのではなく、型に塗ってからチョコレートを流す方法で作るからです。
💡 ポイント
液体の色素を型に塗っても乾かないので、取り出した後にベタベタになってしまいます。また、液体の着色料にはグリセリンなど様々な成分が含まれているので、それをカカオバターに混ぜると縮みにくくなり、型からも剥がれにくく、ツヤも悪くなってしまうんです。カカオバターベースの色素が、一番ツヤが出てきれいなボンボンショコラができると思います。
ただ、このカラーカカオバター、今はかなり高騰していて、200gで最安値でも4800円ほどします。1枚の型全体に塗るのに約3gで十分なので、1本で60回分くらい使えるんですが、個人で集めるのはなかなか大変ですよね。色は混ぜることもできるので、自分好みの中間色を作ることも可能です。

日本では10色程度の展開しかないので、中間色が欲しかったら混ぜるしかないんですよね。私の講座では小分けして受講生さんにお渡ししているんですが、来年仕事が落ち着いたら、カラーバリエーション豊かなカカオバターの販売も計画しています。楽しみにしていてください。
エアブラシを使う方へ

エアブラシでより繊細な装飾をしたい方には、いくつかポイントがあります。
ハンドピース(握る部分)自体は、どこのメーカーでも大きな差はありません。握るタイプでも、ボタンを押して引くタイプでも、使いやすいものを選べば大丈夫です。
💡 ポイント
一番重要なのは「口径」です。エアブラシは先端の穴から色素が出る仕組みなんですが、カカオバターは絵の具などに比べて粘度が高いので、口径が小さいと出が悪いんです。エアブラシの口径は0.2mmから0.8〜1mm程度まであり、カラーカカオバターを使うなら0.5mmの口径がベストです。
また、エアブラシを選ぶ際は、使用用途に「ケーキデコレーション」と書いてある食品使用可能なものを選んでください。コンプレッサーは小型犬サイズ、重さで言うと2.5kgくらいで、1分あたり25リットルくらいの空気を吹き出せて、圧力が4バー程度のものが家庭用には適しています。
温度管理のコツ
IHで調理をする方には、本体と温度センサーが離れているタイプの温度計がおすすめです。センサーが本体に直結しているタイプだと、IHとの干渉で温度表示が止まってしまうことがあるんです。
私が使っているのはサーモプロという商品で、Amazonで2000円くらいで購入できました。この温度計の便利なところは、設定温度を決めておくとアラームで知らせてくれる機能があることです。

パートドフリュイやキャラメルを炊くとき、温度計を刺してアラームをセットしておけば、他の作業をしながら待てるんですよね。すごく重宝しています。
まとめ
チョコレート作りで本当に品質にこだわるべきは、型と温度計です。特に初心者の方こそ、この2つは良いものを選んでください。失敗の原因を道具から排除できれば、技術の向上に集中できます。
ヒートガンやブレンダーなど、その他の道具は一番安いもので十分です。エアブラシを使う方は口径0.5mmのものを選び、食品使用可能なものを選んでくださいね。
チョコレートフォークなど、まっすぐに売られている道具は、自分の使いやすい角度に曲げて使うこともできます。温めると折れにくくなりますので、試してみてください。
道具選びで迷ったら、まずは型、温度計、そしてセリアのお好み焼きヘラ。この3つから始めてみてはいかがでしょうか。良い道具は長く使えますし、きっとあなたのチョコレート作りを楽しくしてくれるはずです。